フィリピーナの彼女【プロローグ2】2005.04.20
日本人かと思ったその女もまた東南アジア系の女だった・・・
ただ、私の中のイメージとは全く異なっていた・・・日本で働いているのに
日本語はほとんどわからず、英語はかなり達者であった・・・
また、そういった場所で働いているのにも関わらず、愛想笑いひとつ
浮かべない・・・ 普通のパブであればつまらないと感じる場面だ・・・
ただ、彼女は美人だった・・・
酒を飲んでいるにもかかわらず、ずいぶん無愛想な客だ!
とでも、思われているのではないかな?と少しその彼女の顔色を伺う・・・
さっきまでの自分とはまるで別人の自分がそこにいた・・・
そして、彼女と少し話しをしたくなった・・・そんな、接客業に似つかわし
くない、彼女に少し興味をもったからだ・・・
まずは、日本語で名前を聞いてみた、とりあえず理解したらしく一応店での
名前を答えてきた(日本人アイドルと同じ名前だった)、笑顔は無い・・・
周りの席の盛り上がりをよそに、我々の席だけは異質の空気が流れていた
私たちは口は閉じたままだった・・・ 当然笑顔も無い・・・
今度は、頭のかなり隅に追いやられていた記憶から、無理やり英語を引っ
張り出し、もう一度話しかけてみた・・・
彼女は、驚いたような表情をうかべ、私の顔を覗くと・・・
達者な英語でいろいろと話しかけてきた、数分前の彼女の表情とは
明らかに違っていた・・・
そして笑顔・・・
妙な気分だったが・・・少しうれしい気持ちになった。
彼女と、いろいろと話をした・・・ 彼女は、初めて日本にフィリピンから
やってきた、どんな仕事をするのか良くわかっていなかったらしく・・・
このようなところで、客に酒をつくり、愛想笑いを浮かべ、ご機嫌をとる、
そんことは、想像もしていなかったようだ。
そして、日本語を勉強はしているが、上達しない・・・ そのために客が
何を言っているのか分からず、何度も客を怒らせ、店のマネージャーから
叱られているらしい・・・
だから、少々怖がっていたようだった。また、彼女は学生で学費を稼ぐ為に
日本で働き、卒業後は母国でちゃんとした、企業に勤めるのだと言う。
なんとなく、ただ金の為に出稼ぎに来ている、と考えていた私には、
ちょっとショックで、ちょっと申し訳ない気分にさえなってしまった。
その後も、時間まで彼女は話続けていた・・・ タバコをくわえても、
私のグラスが空いても気づかずずっと話続けていた。
そんな商売っ気の無さだけで、「かわいい子だな」と思ってしまった。
とにかく、彼女は話続けた、いろいろな事を・・・聞けば、相当な
おしゃべりなのだが、言葉が通じず会話ができない事にものすごく
ストレスを感じていたらしい、そして、日本にたいして、また日本人に
たいしてかなり興味を持っていた。
ちょっとだけ楽しい時間は、あっという間に過ぎ・・・マネージャーの笑顔
が突然目の前に現れた「お時間のほうは?」その日は、持ち合わせも
少なく、翌日も仕事だったので帰ろうとした。
そのとき彼女は、携帯電話の番号を私に渡し電話をくれと言う・・・
初めて日本人に自分の電話番号を教えるのだとかなり照れていた・・・

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